15年前の夏
あなたは消えた
私はあなたを守れなかった
何も出来なかった
入院している間に何度もあなたの後を追おうとした
一度も成功しなかった
毎日毎日「連れて行かないで」と叫ぶ夢を見た
退院したときの私は心のないただの抜け殻だった
同時に他人へ心を閉ざすことに拍車がかかった
あなたを私から奪った人は私の前から逃げることを選んだ
そんな人から私も逃げた
そのうち私は何もかも忘れたいと思うようになった
後を追いたい気持ちに変わりはなかったけれど
うまく追うことが出来なかったから
自分を守るために忘れることを選んだ
結果はあなたを失ったということ以外の記憶のほとんどが消えただけだった

15年たって記憶がないことにはすっかり慣れたけれど
それでも夢で叫ぶ日がなくなることはないだろう
今も変わらず「連れて行かないで」と夢の中で叫ぶ・・・
15年の間にまた心を開けるようになったのに
また心を閉ざしてしまいたいと願ったとき
皮肉にも忘れていた記憶のかけらがでてきた
あなたを奪った彼がどんな人だったのか思い出した
これはあなたを守れなかった私への罰
一生私はあなたを守れなかったという罪を背負い続けて生きていく
それがあなたを守れなかった私への罰・・・